2番(一井 暁子君)
民主・県民クラブの一井暁子でございます。
私は,本年4月に初当選し,本日初めての一般質問に立たせていただきました。大好きなふるさと岡山県のために,愛と勇気を持って力を尽くしてまいります。
岡山県議会議員の皆様,県知事を初めとする県職員の皆様,岡山県のために働くという同じ目的に向かう一員として,どうぞ御指導くださいますよう,よろしくお願いいたします。
傍聴の皆様も,本日も,そしてまたいつも大変ありがとうございます。いつも県民の皆様のおそばにある議員でありたいと思って,これからも活動してまいります。
それでは,通告に従いまして順次質問させていただきます。
まず,ひとり親家庭を支援する施策についてお尋ねします。
昨年の調査によれば,県内には1万5,012世帯の母子家庭,1,970世帯の父子家庭があり,そこには合わせて2万7,216人の児童がいます。県では,ひとり親や子供たちが安心して暮らせるようにサポートする各種事業を行っています。ところが,事業の中には,母子家庭のみ,あるいは父子家庭のみを対象とするものがあり,施策の名称は母子・寡婦福祉とされています。もちろん,これまでの経緯があり,法律や国の事業の名称,内容によってそうなっていることは承知しておりますが,現在では家庭や個人のあり方は多様化しておりますし,また,ひとり親が男性であるか,女性であるかによって,子供が受けられるサポートに差があってはならないのではないでしょうか。
そこで,知事にお尋ねいたします。
これらの施策・事業の名称には,統一的に「ひとり親」という言葉を使ってはいかがでしょうか。既に新おかやま夢づくりプランや新岡山いきいき子どもプラン,医療費公費負担制度等では使っておられる言葉です。制度的に正式名称を変更できないものについては,通称でもいいと思います。そして,制度的に対象が母子家庭に限定される場合は,父子家庭に対して同様の制度を設けることも含め,事業の対象をひとり親全体に拡大してはどうでしょうか。より県民に近く,使いやすいものになると考えます。ぜひ,賢明な御判断をお願いいたします。
少し具体的なお話をいたします。生活安定のための支援として,児童扶養手当の支給があります。これは父子家庭は対象とされておりません。確かに,厚生労働省が2003年度に行った全国母子世帯等調査によれば,母子家庭の児童扶養手当も含む平均年収212万円に対して,父子家庭は390万円です。しかし,一般家庭が589万円であるのに比べれば少ないですし,そもそも児童扶養手当には所得制限があるわけですから,この比較は意味がありません。岡山県内を含め,全国的に独自の制度により,父子家庭にも同様の手当を支給している自治体があります。自治体による格差をなくすためにも,県独自の父子家庭に対する児童扶養手当と同様の事業を行ってはどうでしょうか,保健福祉部長にお伺いします。
また,先ほどの厚生労働省の調査によれば,「困っていることがある」と答えた父子家庭の父親の中で,家計を上げた者が31.5%となっております。5年前に行われた調査結果から約12ポイントもふえており,ニーズが高まっていると考えられます。母子家庭については,児童扶養手当に加え,母子・寡婦福祉資金や母子金庫資金の貸し付けが行われています。父子家庭に対しても,各種資金を無利子,または低利で貸し付けてはいかがでしょうか,保健福祉部長のお考えをお聞かせください。
ひとり親家庭は,いろいろな悩みや困難を抱えて,不安定な状態に置かれがちです。特に,同じ調査によれば,父子家庭の49.4%が「相談相手がいない」と答えており,母子家庭より約30ポイントも高いのです。また,公的制度等についても,ほぼ9割以上が利用していない,また利用したことがないという状況です。母子自立支援員,母子福祉協力員の名称の変更や,ひとり親の交流事業の創設などにより,相談・交流活動を充実させることが重要だと考えますが,いかがでしょうか,保健福祉部長にお尋ねします。
そして,ひとり親家庭を応援する施策をリストアップしてまとめ,パンフレットをつくるとか,ホームページに掲載するといったこともお願いしたいと思いますが,いかがでしょうか。せっかくのサービスが,必要としている人のところに届かないのでは意味がありません。関連する事業をまとめることで,県の施策体系としては別のところに入っているけれども,ひとり親家庭の方々の役に立つ事業の情報もきちんと提供できます。利用する側の立場に立った情報提供について,保健福祉部長にお尋ねいたします。
次に,化学物質対策についてお尋ねします。
化学物質は,現代の私たちの暮らしには欠かせないものです。化学物質は,私たちの暮らしを豊かに,より便利にしてくれますが,環境を汚染したり,健康に悪い影響を与える原因になることもあります。特に,子供は,大人に比べてハイリスクだと考えられます。子供は,体重当たり,大人より多くの水や空気,食べ物をとっていますし,大人とは食べ物も違っています。体の組織ができ上がっておらず,化学物質を無害化する機能が足りなかったり,化学物質を体内に吸収,蓄積しやすい場合があります。地面をはう,何でもつかんで口の中に入れる,屋外で遊ぶことが多く,そのまま指をなめるといった特徴もあります。最近ふえているアトピーやぜんそくなどのアレルギー疾患,学習障害やADHD,高機能自閉症などと化学物質の関連を疑う学者もいます。また,有害物質に多く長く触れるほど被害が大きくなるという,従来の考え方が通用しない化学物質もあります。ごくわずかな量で大きな影響を引き起こすものや,成長過程のどの時期に暴露するかによって,影響が異なるものもあるのです。ところが,科学的には明らかになっていないことが多いのが現状です。したがって,子供たちを化学物質のリスクから守る,まだよくわからないことも多い分,後で悔やむことがないように,予防的に取り組むことが今求められています。
1997年には,子供の環境,保健に関する先進8カ国の環境大臣会合が開かれ,マイアミ宣言が採択されました。この宣言は,「我々は世界じゅうの子供が環境中の有害物の著しい脅威に直面していることを認識している」という言葉で始まり,「事子供に関しては,彼らがとりわけ環境汚染に傷つきやすいものであるということは,紛れもなく真実である」「我々の国々の現時点での保護レベルでは,幾つかの場合,十分に子供の保護ができないことがあり得る」と明言しています。
昨年には,国際化学物質管理会議において,子供を守る決意を含めたハイレベル宣言が示されました。アメリカやEUでも個別の取り組みが進んでいます。
日本国内においても,健康影響に関する指針や指導の策定の際に,子供の特性や弱さを考慮する例がふえていますし,環境省では,子供の環境保健に関する情報収集や調査研究が進められています。
そこで,知事にお尋ねいたします。
子供の健康に影響を及ぼす化学物質対策について,岡山県としてどのような基本方針を持って臨むべきだとお考えになりますでしょうか。今後は,県として具体的な取り組みを進めていかれると思いますが,参考となる事例として,東京都が独自に策定をした「化学物質の子どもガイドライン」を御紹介いたします。子供が化学物質に暴露しないように,都民,事業者,子供が多く利用する施設の管理者などに,自主的に取り組むべき具体的方策を示すもので,2002年に鉛ガイドライン(塗料編)を初めて策定し,翌年に,室内空気編,さらに翌2004年には,食事編と殺虫剤樹木散布編を策定,公表しています。策定後は,例えば鉛ガイドラインの場合では,塗料・塗装に関する業界団体への要望,パンフレットやホームページによる普及啓発,塗料メーカーへのヒアリング,エコマーク認定基準への働きかけなどを行ったそうです。反響は大きく,業界団体が鉛フリーを積極的にアピールしたり,塗料のエコ化が加速されたり,現場での採用や都民による自主学習も進んだそうです。
岡山県においても,同様の取り組みをされてはいかがでしょうか。策定の過程で,多様な関係者に参加していただくことや,策定後にガイドラインを活用することで,リスクコミュニケーションや環境教育にも資するものと考えます。
また,庁内の関係部署は多岐にわたると思われますが,ガイドラインの策定作業を通じて,情報の共有や横断的な連携の強化にもつながるのではないでしょうか。生活環境部長の御所見をお伺いいたします。
次に,学校図書館の充実についてお尋ねいたします。
子どもの読書活動の推進に関する法律では,「子どもの読書活動は,子どもが,言葉を学び,感性を磨き,表現力を高め,創造力を豊かなものにし,人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものである」とうたわれています。私自身,幼いころから本を読むことが大好きで,おもしろい本の続きをどうしても読みたくて,夜,布団の中に本と懐中電灯を持ち込んで,こっそり読んでいてしかられたり,当時は天神山にあった県立図書館で,大正時代の古い新聞記事を調べ,明治生まれの祖母が話してくれた事件が本当に新聞に載っているとびっくりしたりと,本や図書館の思い出がたくさんあります。学校の図書館では,放課後によく時間を忘れて夢中になって本を読みふけっていました。今の子供たちにとっても,学校図書館が楽しく居心地のいい学びの場であってほしいと,心から願っています。
学校図書館の状況を知る一つの指標として,蔵書の数があります。学校ごとの学校図書館図書標準達成状況の平均値を,県内市町村別に調べてみたところ,おおむね8割以上であり,全国的に見れば比較的整備されておりますが(パネルを示し,以下パネルで説明),このように市町村によって大変差があります。これは小学校の状況ですけれども,赤が100%以上,9割以上は黄色,青は8割以上,そして色が塗られていない自治体は8割未満です。比較していただくためにもう一つ出しますけど(パネルを示し,以下パネルで説明),こちらが中学校の状況です。一定の傾向があるのが,おわかりいただけるんではないかと思います。
平成5年に学校図書館図書標準が設定されて以来,過去2回にわたる学校図書館図書整備5カ年計画によって,全国で合計1,150億円が地方交付税措置されてきたにもかかわらず,図書標準が達成されていない学校があるのです。本年度より新5カ年計画がスタートしたところでもあり,今度こそ全校100%以上の達成率を実現していただきたいと思います。どのように取り組んでいかれるのか,教育長の御所見を伺います。
本の数がそろうことは,図書館の基礎として重要ですが,多ければいいというものではありません。現場からは,「状態が悪い本や情報が古くて使えない本がある」「時代に合った本がもっと欲しい」という声も聞かれます。新5カ年計画では,更新冊数分の方が増加冊数分よりも多く交付税措置されたことからも,積極的に更新していくべきだと考えます。調べ物や楽しみ,文学的にすぐれた作品など,さまざまな目的に合った本がそろっていることも必要です。学校図書館の図書の質の面から見たあるべき姿とその確保の方法について,教育長のお考えをお聞かせください。
また,図書館は本の置き場ではありません。岡山県子ども読書活動推進計画によれば,学校図書館は児童生徒の自由な読書活動や読書指導の場として,想像力を培い,学習に対する興味・関心を呼び起こし,豊かな心をはぐくむ読書センターとしての機能と,児童生徒の自発的,主体的な学習活動を支援し,教育課程の展開に寄与する学習情報センターとしての機能を果たし,学校教育の中核的な役割を担うことが期待されています。それらの機能がきちんと果たされるためには,司書の先生の存在が不可欠です。
しかし,現在,岡山県では,専任の司書教諭は配置されておりません。学校司書については,岡山県図書館協議会司書部会の今年度調査によりますが(パネルを示し,以下パネルで説明),このように赤く塗られたところが専任で全校配置されている自治体ですが,これは非常にわずかです。黄色や青が兼務あるいは一部配置,そういう自治体が多いということがおわかりいただけると思います。そして,色が塗られていない,配置が全くない自治体もあるわけです。すべての子供たちが,住んでいる市町村にかかわらず,充実した学校図書館を利用できなければならないと思います。配置状況をどのように認識し,今後どのように取り組んでいかれるのか,教育長の御所見を伺います。
次に,ネットいじめについてお尋ねします。
午前中に小倉議員が質問されましたように,最近インターネットや携帯電話を利用した,新たないじめが見られるようになっています。このいわゆるネットいじめは,いじめた相手がわかりづらく逃げ場がないなど,より深刻ないじめです。午前中の御答弁にもありましたが,昨年度実績の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査から,初めて調査項目に入り,県内の公立学校では54件とされていますが,これは氷山の一角だと思われます。緊急に対策が必要だと考えられるこの問題について,教職員,保護者,児童生徒に対し,どのように取り組んでいかれるのか,教育長にお伺いいたします。
ネットいじめの場合,コンピューターや携帯電話を取り上げられたくないから,あるいは親や先生などの大人には言ってもわかってもらえないと感じて,いじめに遭っていることを相談しない子供たちがたくさんいます。子供よりも知識が劣っていることを恥じるために,子供がインターネットなどにかかわる話をすることを嫌がる大人もいますが,それでは相談などできるはずもありません。いじめを解決するためには,周囲の大人が本気で取り組もうとしているということを子供に伝える必要があります。そのために,まず,ネットいじめという新しい概念が,多くの人に知られなければならないと思います。青少年課,県警など関係部署と連携し,広く大人への啓発を行っていただきたいのですが,教育長の御所見をお伺いします。
最後に,岡山藩郡代,津田永忠の事績である近世岡山の文化・土木遺産群の世界遺産登録の推進についてお尋ねいたします。
昨日,小林議員が,維持保存について丁寧な質問をなさいましたので,私はソフト面から質問をさせていただきます。
世界遺産に登録されるためには,すぐれた文化財があるだけでは十分ではなく,それらが人類の足跡とかかわっていなければなりません。岡山の農業・土木遺産群については,水田耕作という農業形態に伴う独特の技術の発展と発信がそれに当たります。世界史的な意義の検証が必要とされているわけで,他県ではコンサルティング会社などを利用しているところもあるようです。しかし,本県では,大学や地域での保存会等の研究の蓄積が大きく貢献していると聞いています。
そこで,世界遺産登録の実現に向け,学術的な研究を一層推進していただきたいと考えますが,いかがでしょうか,教育長にお伺いします。
世界遺産登録のための重要な要素として,住民の熱意や盛り上がりも上げられています。人々の暮らしをよくするためにつくられ,今も生きている数々の文化財と,それを含む風景,景観を,広く県民が誇りを持って愛し守っていくようになれば,すばらしいことです。そのためには,例えば,岡山にこれほど価値のあるものがあったんかということを学ぶ機会や資料も必要でしょう。先日行われた岡山世界遺産登録推進決起大会では,個人や団体の得意分野を生かしたネットワークづくりが提案,了承されました。県民と協働して世界遺産登録を推進するための取り組みについて,教育長のお考えをお聞きいたします。
以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
知事(石井 正弘君)
民主・県民クラブの一井議員の質問にお答えいたします。
ひとり親家庭の支援に関しまして,施策事業の名称等についてのお尋ねでありますが,法律等で,母子・寡婦世帯のみを対象といたしました事業や制度となっているものがありまして,こういったものにつきまして,統一的にひとり親という言葉を使うということは困難ではありますが,父子家庭も対象にした事業につきましては,ひとり親という言葉の使用につきまして,通称も含めまして検討してまいりたいと思います。
母子家庭のみを対象とした制度は,離婚等により母子家庭の母が直面する経済的な困窮などを緩和する目的で設けられているものでありまして,そういう目的で設けられているものにつきまして,ひとり親家庭全体に拡大するということは考えていないところでありますが,父子家庭につきましては,子育て支援等に重点を置き,家事援助サービスや介護人派遣サービスの推進などによりまして,支援に努めてまいりたいと存じます。
次に,子供の健康に影響を及ぼす化学物質対策に関しましての基本方針でありますが,子供に対する化学物質によりますリスクの低減につきましては,お話のように,国際的にもマイアミ宣言によりまして,優先的な取り組みが求められたということを契機といたしまして,我が国でも,子供を対象にした指針等の策定や調査研究が進められているところであります。
本県では,新おかやま夢づくりプランにおきまして,有害化学物質対策の推進を重点施策の一つに位置づけておりまして,環境リスク低減を図るため,さまざまな対策を進めているところであります。子供は特有の行動によりまして,化学物質に触れたり,摂取したりするということが多く,体も成長過程にあり,免疫力,抵抗力も弱いこと等を勘案いたしますと,化学物質による子供への影響の低減につきまして配慮することは,大人の責務であると考えておりまして,私といたしましてもこのことを基本に,国の動きも注視しながら,各種施策を計画的かつ総合的に推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
生活環境部長(赤田 修司君)
お答えします。
化学物質の子どもガイドラインについてでありますが,化学物質には,お話のように,影響が明らかになったものと,まだ未解明のものがございます。そういった化学物質の正しい知識を普及することが重要であると考えております。このため,基礎知識はもちろん,子供にも配慮した,生活の中での化学物質対策について,国や東京都の例も参考にするとともに,関係部局と連携し,ガイドブック等としても取りまとめ,広く県民,事業者等で活用されるよう努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
保健福祉部長(田原 克志君)
お答えいたします。
ひとり親家庭の支援に関しまして,児童扶養手当についてでありますけども,この制度は,離婚等によりまして,母子家庭の母が直面する経済的な困窮などを緩和する目的で設けられたものでありまして,御提案のように,県独自で父子家庭に対して,児童扶養手当と同様の事業を行うことは考えておりません。
続きまして,資金貸し付けについてでありますけれども,母子福祉資金などの貸付制度につきましては,母子家庭の母に生ずる経済的な困窮の緩和や,就労による経済的自立を促進するなどの目的で設けられているものでありまして,御提案のような,父子家庭に対する資金の貸し付けは考えておりませんけれども,父子家庭につきましては,子育て支援等に重点を置きまして,家事援助サービスや介護人派遣サービスの推進などにより,支援に努めてまいりたいと考えております。
続きまして,相談事業等についてでありますが,父子家庭の支援のためには,適切な相談対応を実施していくことが重要であると考えておりまして,現在,母子自立支援員による相談事業等を実施しておりますけれども,父子家庭の利用は少数にとどまっております。このため,母子自立支援員の呼び方も含めて検討するなど,父子家庭も利用しやすい工夫をすることで,相談事業を充実し,ひとり親家庭の不安解消に努めてまいりたいと考えております。
最後に,情報提供についてでありますが,県ではホームページ上で,ひとり親家庭等への支援として,相談窓口,支給制度,貸付制度,その他の支援施策を掲載し,広報に努めているところであります。また,市町村では,ひとり親家庭に対する独自の施策も含めて,パンフレットを作成したり,広報誌等で制度の周知を図っているところであります。
県といたしましては,今後とも市町村との連携を図りまして,種々の広報媒体を活用して,利用する側に立った,わかりやすい情報提供を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
教育長(門野 八洲雄君)
お答えいたします。
まず,学校の図書標準達成状況についてでありますが,国が定める標準を100%以上達成している学校の割合は増加してきておりまして,平成17年度では,小学校55.4%,中学校43.7%と,全国平均を上回っているところであります。
お話の新学校図書館図書整備5カ年計画は,地方交付税措置がされておりまして,基本的には市町村教育委員会が取り組まなければならないことであります。県教育委員会としましては,子供たちの学力や豊かな心をはぐくむため,読書活動を一層推進していく立場から,市町村教育委員会に対しまして,通知や担当者会等で,計画的な図書の整備や必要経費の確保について,これまで働きかけてきたところであります。今後,各学校で図書標準を達成できるよう,市町村教育委員会に対して,これまで以上に働きかけてまいりたいと考えております。
次に,図書の質についてでありますが,学校図書館には,お話のように,子供たちがみずから学ぶ学習情報センターの機能と,豊かな感性や情操をはぐくむ読書センターの機能が求められておりまして,それらを十分満たすような図書を確保する必要があると考えております。確保に当たりましては,校内に選定委員会を設け,全国学校図書館協議会の選定基準や学校の教育目標などを踏まえ,子供の意見も反映させながら,調べ学習や読書活動に資する図書を選定するとともに,蔵書状況に応じて,更新することも大切であると考えております。
次に,司書教諭等の配置についてでありますが,司書教諭は,学校図書館法に基づき,12学級以上のすべての小中学校で発令しておりまして,読書指導の推進に中心的な役割を果たしております。司書教諭は,校務分掌の一つでありまして,学級担任やその他の分掌を兼ねることはありますが,その職務が十分に果たせるよう,校内の共通理解や協力体制の確立等について,今後とも指導してまいりたいと考えております。
また,司書につきましては,地域により状況は異なりますが,県内の約4分の3の小中学校に学校図書館を担当する事務職員が配置されているところであります。この司書の配置につきましては,設置者であります市町村が判断されることでありますが,子供の読書活動の充実のためには,大切な職であると考えておりまして,今後とも配置について,市町村教育委員会に働きかけてまいりたいと考えております。
次に,ネットいじめについての教職員等への取り組みについてでありますが,インターネットや携帯電話によるいじめの対応について,いじめ対策行動推進会議から提言をいただいたところでありまして,各学校にこの提言を配付いたしますとともに,生徒指導担当者会で警察と連携した迅速な対応等,指導の徹底を図ることとしております。また,本年度末には,学校でのすぐれた実践を取りまとめ,事例集として各学校へ配布し,指導の改善を図ることとしております。
保護者に対しましては,リーフレットを作成,配布し,インターネットによるいじめを発見した場合の対応の仕方等について周知することとしております。
また,子供に対しましては,メール等のいじめが自殺に追い込んだり,犯罪になり得ることについて十分認識させるなど,情報モラル教育とあわせて,指導の充実を図ることとしております。
県教育委員会としましては,新しく重要な課題と認識し,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に,関係部署との連携についてでありますが,インターネットによるいじめにつきましては,教職員や保護者だけでなく,大人全体が認識を深め,いじめを許さないという機運を高めていくことが大切であると考えております。そのため,県教育委員会のホームページに,いじめ対策行動推進会議の提言を掲載したり,知事部局や警察の関係課等とも連携を図って,県民に働きかけたり,PTA研修会でも取り上げていただくなど,県民の意識を高めてまいりたいと考えております。さらに,市町村教育委員会と連携して,それぞれの市町村においても,大人への啓発が進むよう働きかけてまいりたいと考えております。
次に,世界遺産登録に向けて学術的な研究についてでありますが,国内の暫定一覧表に追加記載されるためには,資産の世界史的な意義づけを含む,顕著な普遍的価値や真実性・完全性の保持等を証明する必要があります。今回,提案する近世岡山の文化・土木遺産群につきましては,県と関係市町等で提案書を作成し,検討を進めておりますが,今後とも大学の研究者等の協力を得ながら,登録に向けての学術的な調査研究を進めてまいりたいと考えております。
最後に,世界遺産登録を推進するための取り組みについてでありますが,先日の岡山世界遺産登録推進決起大会におきまして,登録実現を支援する民間での応援ネットワークが組織され,大変心強く思っているところであります。
県教育委員会としましては,関係部局や市町等と緊密な連携を図りますとともに,こうした民間の活動と協働して,提案する資産の価値や重要性について,県内外に周知を図り,世界遺産登録に向けての機運の醸成に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
2番(一井 暁子君)
御答弁ありがとうございました。再質問をさせていただきます。
まず,ひとり親家庭の支援についてでありますが,母子家庭の離婚等に伴う経済的困窮を救うための施策については,父子家庭を対象にすることは考えていないという御答弁でありましたけれども,先ほどの質問で申し上げましたとおり,所得制限があるなど,平均所得にかかわらず,父子家庭においても経済的に困っている家庭があるということを,アンケートの結果等も踏まえて申し上げたところでありまして,実際に複数の父子家庭の方から,母子家庭に比べて経済的な支援が薄いという御要望もあって,今回の質問を私はさせていただきました。したがって,できればもう一度そのあたりを踏まえて御答弁をいただければと思います。
また,名称についても,母子家庭のみのものについては考えていないという御答弁でしたけれども,これは一つには,利用しやすい,あるいは県民に近いといった感覚,そして知事が推進しておられる男女共同参画の面からも,母子家庭に限定する意味は余りないのではないか。また,寡婦という言葉は,これはもちろん歴史的に使われてきた言葉ではありますが,現在なかなか耳だけで聞いても意味のわかりづらい言葉でもあるところで,できれば,わかりやすく,また使用しやすい,取りつけやすいという意味でも,「ひとり親」という言葉を使ってはどうかという提案でございます。これについても,改めて御所見をお伺いしたいと思います。
以上,知事にお願いいたします。
そして,2番目の化学物質対策についてでありますが,これは本当に前向きな御答弁をいただきまして,ありがとうございました。知事の,この問題について配慮することは大人の責務であるという言葉は,本当にありがたい,すばらしいことだと思いました。
そして,ガイドラインについてでございますが,これは今回ガイドブックという形で取り組んでいただけるということで,これは本当に大きな第一歩であると思います。ただ,これから将来に向けては,例えば県民,NPOなど,多様なステークホルダーがその策定にもかかわるといったことが,リスクコミュニケーションあるいは環境教育に向けて重要なポイントだと思います。この点については要望とさせていただきます。
そして,ネットいじめについてでありますが,本日の山陽新聞等にも大きく取り上げられておりますように,これは本当に今,喫緊の課題になってきていると思います。大人への啓発の点についてですけれども,教育長の前向きなお気持ちは大変よくわかりましたが,しかし具体的な取り組みが必要だというふうに考えておりまして,例えば地域における,これは石川県の野々市町というところの例で言えば,地域ぐるみで,携帯電話を子供が持つことについてのルールをつくっていくというような取り組みがあったり,そういう具体的な取り組みについて,できればもう少し踏み込んだ御答弁をいただければと思っております。
また,例えば,今,県警のサイバー犯罪のサイトにおいても,サイバー犯罪については詳しく書かれていて,大変よくわかりやすいサイトになっているんですけれども,その中には,いじめという言葉はありません。いじめられている子供がネットを使っているからこそ,ネット上に窓口やそういう言葉があって,そこに自分が行けばいいんだなということがあることが,この解決の一つの助けになるのではないかというふうに思っております。そういう意味でも,重ねてになりますが,少し具体的なところに踏み込んで,御答弁をもう一度いただければありがたいと思います。
以上,よろしくお願いいたします。
知事(石井 正弘君)
再質問にお答えいたします。
母子家庭と父子家庭についての御質問でございますが,やはり調査結果を見ておりましても,母子家庭の方々が一番困ってらっしゃるのは,圧倒的にこれは家計,経済的な問題,経済的困窮の問題,こういったようなデータがございますし,一方,父子家庭の方では,これはもう圧倒的に家事に困ってらっしゃるという割合が高い。もちろん,父子家庭の方でも,家計が困難と認識してるという方もある程度いらっしゃいますけれども,常用雇用,あるいは臨時,パートのこの割合で見ても,男性の方は,どちらかというと常用雇用の割合が非常に高いと,こういったような傾向があるようでございます。今後とも,父子家庭の方々の御意見,御要望,御提言にもしっかり耳を傾けてまいりたいと思いますが,まずは国の方で,この母子家庭を対象としております制度は今後どのようになっていくのかといったことの推移も見守りながら,県としても適切に対応してまいりたいと思っております。
それから,名称,呼称のことでございますが,先ほど御答弁させていただきましたとおりでありまして,法律で,例えば母子自立支援員というふうに決まっておりますものもございますが,制度上,県はこれを父子家庭にも対象を広げているわけであります。ということで,母子,父子,両方を対象としております,こういう自立支援につきましては,通称として「ひとり親」というふうに変えた方がいいんではないかと,これはそのように私も検討いたしたいと思っておりますし,それ以外にも,「ひとり親」という名前にした方がいいものがありますれば,これは前向きに考えていかなきゃいけないんではないかと思っております。そういったことで,母子家庭を対象としているもの,父子家庭を対象としております事業,そういったものの全体を見ながら,今後とも検討を進めてまいりたい,このように考えております。
以上でございます。
教育長(門野 八洲雄君)
再質問にお答えいたします。
ネットいじめ等に関しまして,もっと具体的にというお話でございました。
いじめ対策行動推進委員会等で,いろいろ御検討いただいて,提言をいただいたところでありまして,基本的な考え方,対応のあり方,そういう部分につきまして,提言をいただいておりますので,そういう趣旨をこれからできるだけ早く,学校や保護者の方々に周知徹底をいたしまして,私どもといたしましては,この年度末までに,学校でのいろいろな具体的な取り組み,効果のあった取り組み,そういうものを集約させていただきまして,まとめてまた学校等に配付して,具体的にこういうことで取り組んだら効果があったというような事例を届けていきたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
2番(一井 暁子君)
重ねて失礼いたします。
ひとり親家庭の支援について,もう一度申し上げさせていただきます。
経済的援助については,国の動向も見ながらという御答弁でございましたが,例えば,都道府県で言えば,東京都等,独自の支援制度,児童扶養手当に該当する制度を設けているところもありますし,県内でも,新見市など,独自の制度を設けているところもあります。また,父子世帯の数が母子家庭に比べて少なく,かつ経済的に困っている世帯の割合が余り高くないことからも,この制度を設けたことによって発生する費用もそれほど大きくないと考えられます。これは,むしろ,制度に対する考え方の問題を私は問うているわけでございまして,これは御答弁は結構ですが,ぜひ前向きに御検討いただきたいと思っております。
また,父子家庭については,家事援助等の要望が強い,そちらを中心に家事援助,介護人の派遣等を中心に施策を持っていらっしゃるということは承知しておりますが,逆に,現在,母子家庭であっても,例えば日中疲れて帰ってきた母親や,あるいはそれまで専業主婦として働いてきて,初めて外に出る,そういった女性にとっても,家事援助というのは必要なサービスでありまして,介護人の派遣は,男女,母子家庭,父子家庭ともになされている事業ですが,家事援助については,基本的には父子家庭を対象にしたものであるということも,逆に言えば,今の時代のニーズに合っているのかどうかという思いも私はしております。こちらも要望にとどめますけれども,あわせて御検討いただきたいと思います。
以上です。ありがとうございました。